教室のリノベーション 2　'モノ再生'

都内休校中の学校の教室一室を、デザインオフィスにリノベーションするというプロジェクト。
特別な配慮により、校舎内に残され使われなくなった学校の"モノ"を再利用している。かつての教室を、長い間使われることもなくその輝きを失ってしまっている"モノ"に焦点を当てて、それらをうまく再生させることで、その古さを最大限に生かした空間作りを目指した。「今ある建築ストック校舎」を有効利用すると同時に、使われなくなった"モノ"の再生までデザインすることで、新たなリノベーションの方法を提示できたのではないだろうか。

「プロジェクトの背景」について
少子化問題が深刻化していく中で、全国各地で廃校・休校に追いやられる学校は後を断たない。廃校・休校に追いやられた学校の校舎は有効利用されることもなく、人影もない廃墟と化している。残された建築ストックを廃墟のままにしているその姿は、もはや地域のシンボルとしての役割を担ってきた学校の面影をもたないでいる。そのような状況の中で、今現在必要なことは学校をむやみに建て壊したりするのではなく、使われなくなった校舎を有効活用し、新しい息吹を吹き込むことではないだろうか。新しい息吹を吹き込むことで、残された建築ストックを再生せることがとても重要であろうと思う。そのようにして再生された学校が、ゆくゆくは新たな地域のシンボルとしての姿を取り戻すことを願っている。