枝川の小学校 Vol2
■ アクティビティーの活性化
子供たちのアクティビティーがより誘発されるよう、ホールに面して2階の教室と教室の間にアルコーブとテラスを配置し、それらをギャラリー(屋内通路)と屋外バルコニーで挟んだ。子どもたちと先生が共に学び交流する場を多層的に、且つ、回遊性を持たせながら計画することで、より多様なアクティビティーの展開を目指した。アルコーブには造り付けのベンチと本棚を設置し、天井高さを2.5mと他の空間に比べてより低く抑えることで、子供たちが気軽に立ち寄れるような雰囲気づくりを目指した。
■ 内部計画(仕上げ、色彩、ユニバーサル計画)
教室の大きさを最大20名程度を想定した6m×6mのスケールとした。建物全体の仕上げを簡素ながらも素材感のあふれる空間とするべく、シナ合板、リノリウム等の自然素材を多く採用し、合わせて積極的に鉄骨材を表しとした。またエントランスから内部のシークエンスを楽しめるように色彩計画を実施した。トイレ計画では、1階は主にパブリック用、2階は主に子供たち用を主眼に置いて、それぞれに適した色とりどりのタイルを採用した。同時に、EV、多目的トイレ及びスロープ等ユニバーサルな計画にも配慮した。
■ 構造計画 及び 設備計画(地球環境)
構造計画としては、埋立地のため液状化対策を図るとともに、地上より45mほどある支持層までPHC杭工法を採用した。また、建物全体の軽量化を図るため鉄骨造を採用し、鉄骨材表しとして意匠計画にも生かした。設備計画としては、個別空調方式を採り、LCCを考慮したGHP(ガス空調方式)を採用することで、CO2発生量の軽減につなげている。ホールは、予算の関係上空調設備を設置せず、1階ホール西側から2階アルコーブへと最大限の自然換気が確保されるような計画を意匠と共に目指した。